「ウチの子の歯並びが乱れている気がする…」
「ほかの子よりあごが小さいかも…」
「子どもの指しゃぶりのクセが直らない…」

このような「お子さんの歯並び」「お顔立ち」「指しゃぶりなどの癖」、気になりませんでしょうか？

お子さんの歯並びの乱れはさまざまな原因によってひきおこされます。指しゃぶりや頬杖、口呼吸などの癖は、歯並びを乱れさせる大きな原因です。あごの発達不全で歯並びが乱れることもあります。

今回は「歯並びの乱れ方」および「歯並びに悪影響がある癖」についてご説明いたします。

■歯並びの乱れ方（不正咬合の種類）

◎歯並びの乱れが起きる主な原因は「生まれつき」or「悪い癖」

歯並びや噛み合わせが乱れている状態を歯科用語で「不正咬合（ふせいこうごう）」と呼びます。歯並びの乱れが起きる原因は主に「生まれつきもの（先天的、遺伝によるもの）」と「舌癖などの悪い癖によるもの（後天的のもの）」の2種類があります。

歯並びの乱れが起きる原因はさまざまです。乱れ方も患者様によってそれぞれ異なります。

以下は、不正咬合の種類です。お子さんの歯並びが下のいずれかに当てはまるかどうか、チェックしてみましょう。

［不正咬合の種類］

・叢生（そうせい）（別名：乱ぐい歯、デコボコ歯、ガタガタ歯）



叢生とは、歯がデコボコ、ガタガタに並んだ歯並びです。犬歯が前に飛び出る八重歯も叢生の一種です。現代の子どもはあごが小さく、歯が並ぶスペースが足りず叢生になるケースが少なくありません。

・空隙歯列（くうげきしれつ）（別名：すきっ歯）

空隙歯列とは、歯と歯のあいだに隙間が空いた歯並びです。空隙歯列は歯が通常より小さかったり、歯に対してあごが大きいケースで起こりやすいです。歯が歯ぐきに埋まっているケースや生まれつき歯が足りないケースでも空隙歯列が起きることがあります。

・正中離開（せいちゅうりかい）（別名：すきっ歯（上の真ん中の前歯のすきっ歯））



正中離開とは、上の真ん中の前歯に隙間が空いた歯並びです。舌で上の前歯の裏側を押す癖があると正中離開になりやすいです。上唇小帯（じょうしんしょうたい）という唇の裏側のスジが原因で正中離開になるケースもあります。

・上顎前突（じょうがくぜんとつ）（別名：出っ歯）



上顎前突とは、上の前歯が前に突き出た歯並びです。指しゃぶりや舌で上の前歯の裏側を押す癖があると上顎前突になりやすいです。上顎前突は上の歯だけが前にでているケースと、あごの骨格の問題によって起きるケースの2種類に分けられます。

・下顎前突（かがくぜんとつ）、反対咬合（はんたいこうごう）（別名：受け口）



下顎前突または反対咬合とは、下の前歯が前に突き出た歯並びです。あごを前に突き出す癖や口呼吸をしていると下顎前突になりやすいです。上顎前突と同様、下顎前突は下の歯だけが前にでているケースとあごの骨格の問題によって起きるケースの2種類に分けられます。

・開咬（かいこう）（別名：オープンバイト）



開咬とは、奥歯を噛み合わせたときに上下の前歯が噛み合わず、上下の前歯のあいだに隙間ができてしまう歯並びです。指しゃぶりなどの癖があると開咬になりやすいです。開咬は噛み合う歯が少ないため、あごの関節に負担がかかって顎関節症をひきおこすことがあります。

・過蓋咬合（かがいこうごう）（別名：ディープバイト）



過蓋咬合とは、上の前歯が下の前歯に深く覆いかぶさった歯並びです。通常、人の歯は上の前歯が下の前歯よりもわずかに（2～3mm程度）覆いかぶさっていますが、これ以上に深く、上の前歯が下の前歯に覆いかぶさっている場合は過蓋咬合の可能性があります。重度の過蓋咬合では上の前歯が覆いかぶさることで下の前歯がほぼ見えなくなってしまうケースもあります。

・交叉咬合（こうさこうごう）（別名：クロスバイト）



交叉咬合とは、歯を噛み合わせたときに下の歯の一部が上の歯の一部よりも外側にでている（歯がどこかで交叉している）歯並びです。通常、交叉咬合とは下の奥歯の一部が上の奥歯の一部よりも外側にでている状態を指します。交叉咬合は奥歯が交叉しているため、噛み合わせが左右にずれやすいです。交叉咬合によってあごの骨がずれ、顔がゆがんでしまうこともあります。

・切端咬合（せったんこうごう）

切端咬合とは、上の前歯の先端と下の前歯の先端がちょうど当たっている歯並びです。通常、上の前歯が下の前歯に2～3㎜程度覆いかぶさっているのが正常な噛み合わせですが、切端咬合は上下の前歯の先端がカチカチと当たる状態でスペースが無いのが特徴です。

切端咬合は下の前歯が前に突き出る（下の前歯の先端が前に傾く）ことでひきおこされるケースが多いです。

切端咬合は子どもに多く見られる歯並びの乱れです。口呼吸や舌癖、あごの骨の成長不全などが原因で切端咬合をひきおこすことがあります。切端咬合を放置していると上下の前歯の先端がすり減ったり、前歯が欠けたり割れることがあります。

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以上が、代表的な不正咬合です。お子さんの歯並びに当てはまるものはありましたでしょうか？上記のいずれかの歯並びに当てはまる場合、お子さんは不正咬合の可能性があります。

次の項では、「歯並びに悪影響がある癖（歯並びの乱れをひきおこす悪い癖）」についてご説明します。

■歯並びに悪影響がある癖

◎指しゃぶりや舌癖は歯並びを乱れさせる原因になります

指しゃぶりや舌で歯を押す癖（舌癖：ぜつへき）などの悪い癖は、歯並びを乱れさせる大きな原因になります。特に子どもは歯やあごの骨が未成熟でやわらかいため、日頃の悪い癖によって歯並びやあごの骨が変形しやすいです。

指しゃぶりや舌癖は歯並びを乱れさせたりあごの成長異常（あごがゆがむ、あごが健全に育たない）の原因になるほか、呼吸をする、噛む、飲み込む、話す、笑う、などのお口の機能異常をひきおこす原因にもなります。

［歯並びの乱れやあごの成長異常、お口の機能異常をひきおこす癖］

①指しゃぶり

指しゃぶりの癖があると、開咬や出っ歯などの歯並びの乱れが起きることがあります。

②舌癖、唇や爪を噛む癖

舌で前歯の裏側を押したり、舌を前歯で噛む、舌を前歯の隙間に入れるなどの癖があると、開咬や出っ歯、すきっ歯などの歯並びの乱れが起きることがあります。

唇や爪を噛む癖も、出っ歯や受け口などの歯並びの乱れをひきおこす原因になります。

③口呼吸

口呼吸をしていると下あごが下がって口が「ポカン」と開いた状態になり、受け口などの歯並びの乱れやあごの成長異常（下あごが前に突き出る、上あごが正常に育たない）が起きることがあります。

口呼吸によってアデノイド（咽頭扁桃＝喉の奥にあるリンパ器官）の肥大が起き、お口の周りの筋肉や下あごが正常に発達せず、下あごがひっこむ「アデノイド顔貌（いわゆる「口ゴボ」）」になることもあります。

④頬杖

手で頭を支える頬杖の癖があるとあごの成長異常（左右どちらか片方にあごがゆがむ、下あごが前に突き出る）をひきおこしやすいです。あごの成長異常によって受け口や交叉咬合などの歯並びの乱れが起きることもあります。

⑤うつぶせ寝

うつぶせに寝る癖があると左右どちらかのあごに負担がかかってしまい、あごの骨格に悪影響がでて交叉咬合などの歯並びの乱れが起きることがあります。うつぶせ寝は顎関節症をひきおこす原因にもなります。

■美浜デンタルクリニックの小児矯正

美浜デンタルクリニックでは、お子さんを対象にした小児矯正を行っています。

小児矯正ではお子さんのあごの骨を広げる「床矯正（しょうきょうせい）」および「MFT（口腔筋機能療法：お口の機能のトレーニング）」が中心になります。

お子さんの歯並びの乱れが大きい場合には、成人矯正と同様のワイヤー矯正やマウスピース矯正が必要になることがあります。

・床矯正

床矯正で使用する矯正装置は取り外し式です。就寝中などの時間を利用して矯正装置を装着し、矯正を行います。床矯正によってあごの骨を適切な位置に広げ、永久歯が生えてくるスペースを確保します。

・MFT（口腔筋機能療法）

お子さんに指しゃぶりや舌癖などの悪い癖がある場合は、MFTで癖や歯並びの改善を行います。当院では、「正しいお口の使い方」を身につける方法としてMFTをおすすめしています。

MFTとは、お口の機能のトレーニングです。MFTではマウスピース（取り外し式）などの器具を使用してお口を正しく動かすトレーニングを行います。MFTによって悪い癖の改善をはかり、正しく呼吸する（鼻呼吸になる）、正しく噛む・飲む、などのお口の機能の正常化にアプローチします。

MFTを行うことであごの骨格の正しい成長を導き、永久歯が生えてくるスペースを確保して将来の綺麗な歯並びにつなげます。

【お子さんの歯並びや癖でお悩みの方はお気軽にご相談ください】

小児矯正は2～12歳までのお子さんが対象になります。12歳までが対象ですが、永久歯の犬歯が生える前の5～9歳ごろに治療を開始するのが望ましいです（歯やあごがやわらかく、矯正の効果がでやすいため）。この時期に床矯正やMFTを行うことであごの骨の健全な成長がうながされて歯並びの改善につながるほか、あごの成長によってバランスの取れたお顔立ちになる効果を期待できます。

当院では小児矯正の無料カウンセリングを行っています。お子さんの歯並びや悪い癖でお悩みの方はお気軽にご相談ください。