インプラントを長持ちさせるためには、毎日の歯磨きが基本です。歯磨きに加えて、歯科医院で定期的に検診およびメンテナンスを受けることでインプラント周囲炎などの感染症を防ぎ、インプラントの長持ちにつながります。
目次
■インプラントを長持ちさせるために大切な2つのこと
①毎日の歯磨きをしっかり行う(セルフケア)
②歯科医院で定期的に検診とメンテナンスを受ける(プロケア)
①毎日の歯磨きをしっかり行う
インプラントを長持ちさせるには、まずは毎日の歯磨きをしっかり行うことが大切です。歯磨きを行うことでむし歯や歯周病、インプラント周囲炎の予防効果が高まります。
-ブラッシングは正しい方法で行いましょう-
ゴシゴシと強い力で歯を磨くのはいけません。強すぎる力でのブラッシングは歯のエナメル質や歯ぐきを傷つける原因になるほか、細かい部分の磨き残しが増えやすくなります。
ブラッシングはペンを持つように軽い力で歯ブラシを持ち、やさしく行うようにしましょう。インプラントに特別な磨き方は必要ありません。ブラッシングを行う際は以下を参考にして、なるべく磨き残しを出さないように気を付けましょう。
〔正しいブラッシング方法(一例)〕
①歯ブラシはペンを持つように「軽い力で」持ち、やさしく歯の表面と歯周ポケットを磨く(歯ブラシの硬さは「ふつう」か「やわらかめ」の物を使いましょう)
②磨きにくい前歯の裏側は歯ブラシを縦に、奥歯の裏側は歯ブラシを斜めに入れて磨くと磨きやすい
③1か所(歯1~2本)につき、歯ブラシを10往復させる
④歯と歯ぐきの境目は歯ブラシを45度の角度で当て、毛先を歯周ポケットに入れて中の汚れをかきだすように1本の歯ずつ静かに磨く(シャカシャカと音がするのはNG)(毛先が細い歯周病用の歯ブラシが磨きやすいです)
⑤奥歯の外側(頬側)も忘れずにしっかり磨く
磨きにくい歯の噛み合わせ面の溝は、毛先がペンのように1束になったタフトブラシを使うと磨きやすいです。合わせて、デンタルフロスや歯間ブラシなどの歯間清掃用具も使い、歯と歯の隙間(隣接面)の汚れも忘れずに落としましょう(歯間ブラシが歯の隙間に入らない方はデンタルフロスだけでOKです)。
②歯科医院で定期的に検診とメンテナンスを受ける
インプラントは人工物のため、むし歯にはなりません。ただし、むし歯にならないからと言って歯磨きや歯科医院でのメンテナンスをおろそかにしていると口内環境が悪化し、「インプラント周囲炎」を発症することがあります。
ケア不足や磨き残しが原因で歯垢や歯石がインプラントの周辺に溜まると口内の歯周病菌が増え、インプラント周囲炎を発症しやすくなります。インプラント周囲炎は歯周病に似た病気です。最初は歯ぐきが赤く腫れたり歯ぐきから出血するなどの症状が現れ始めます。重度になるとインプラントを支える顎の骨(歯槽骨)が溶け、インプラントが自然に抜け落ちることもあります。
毎日の歯磨きだけでは歯の汚れや歯垢は完全には取り除けません。特に歯石は一度歯に付いたらご自身で落とすのは困難です。
ご自身では落とせない汚れや歯垢、歯石は、歯科医院で行う歯面清掃およびスケーリング(歯石取り)で除去できます。
インプラントを長持ちさせ、お口の健康を保つためには、天然の歯と同様に毎日の歯磨きが基本です。毎日のセルフケアと合わせ、歯科医院で定期的に検診とメンテナンス(プロケア)を受けることでインプラント周囲炎の予防につながります。
〔歯科医院の定期検診&メンテナンスで行うこと(※)〕
{定期検診}
・むし歯や歯周病の有無、お口の健康の確認
{メンテナンス}
・インプラントのチェック(インプラントが破損していないか、ぐらぐらしていないか、など)
・歯のクリーニング(専用の器具による歯面清掃およびスケーリング)
(※)ご来院の際に定期検診とメンテナンスを合わせて行います。
歯科医院で定期的にお口の状態を確認することでむし歯や歯周病、インプラント周囲炎の予防および口内の病気の早期発見・早期治療につながります。加えて、メンテナンスによって歯の汚れや歯垢、歯石を取り除くことで口内環境を良好に保ちやすくなります。
◎噛み合わせのチェックおよび噛み合わせの調整
インプラントを正常に機能させ、長持ちさせるには噛み合わせのチェックおよび噛み合わせの調整も重要です。
メンテナンスでは定期的に噛み合わせのチェックと調整を行い、インプラントによる咬合性外傷(噛み合わせの乱れが原因で歯やあごなどを傷つけてしまうこと)やインプラントの破損を防ぎます。
◎インプラントの長持ちにつながる生活習慣
セルフケアとプロケアに加え、生活習慣を改善することでインプラントの長持ちにつながります。
・バランスの良い食事を摂り健康的な生活を心がける(歯と身体の健康をUPして免疫力を高め、骨(顎の骨)を丈夫にする)
・禁煙をする
【インプラントをより長持ちさせるために】
インプラントの平均寿命は10~15年程度と言われています。ただし、これはあくまでも臨床上の平均の年数です。毎日の歯磨きをしっかり行う+歯科医院で定期検診&メンテナンスを受けることでこの期間以上、インプラントを長持ちさせることも十分に可能です。
美浜デンタルクリニックでは患者様のお口の状態に合わせた定期検診およびインプラントのメンテナンスを行っています。定期検診ではむし歯や歯周病、インプラント周囲炎の有無をチェックし、噛み合わせの異常がないか入念に確認します。
インプラントをより長持ちさせるため、毎日のセルフケアと合わせて歯科医院で定期的に検診とメンテナンスを受けるようにしましょう。