「歯を失くしたときの治療は何が良いんだろう?」
「先生はインプラントをおすすめしているけど…」
「ブリッジや入れ歯はどうなのかな?」
インプラント・ブリッジ・入れ歯、失った歯を補う方法(補綴治療:ほてつちりょう)は3種類です。近年は、補綴でインプラント治療を行う歯科医院が増えています。歯科医師からインプラントを勧められたご経験を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、歯科医師の観点から「インプラント治療を受ける前に知っておきたいこと」および「補綴治療の選び方」についてご説明をさせていただきます。
目次
■インプラント治療をご検討中の方へ
◎インプラントは自由診療です
インプラントは自由診療(自費診療)であり、原則として保険が利きません。国が定める一部の特定疾患に該当するケース(保険が適用できます)をのぞき、治療にかかる費用はすべて自己負担となります。
当院では、インプラント1歯につき、385,000~495,000円(税別)(※)にて治療を行っています。インプラントの一般的な費用相場は30~50万円程度のため、平均レンジの価格帯です。
平均とは言え、インプラントは高額な治療費を必要とします。高額な費用がかかる治療だからこそ、インプラント治療を受ける前にはクリニックを慎重に選ぶ必要があります。
(※)患者様や症状によって治療費用が異なります。
◎インプラントは医療費控除を適用できます
インプラントは保険が利きませんが、国の還付制度である医療費控除を適用できます。医療費控除を適用することでインプラントの治療費をふくめた1年間の医療費を節約可能です。
医療費控除についてはこちらの記事で詳しくご説明しています。インプラント費用を節約できる方法を記載しておりますので、よろしければご参照ください。
◎クリニック選びの際に見極めたいポイント
インプラント治療を受ける前にはクリニック選びが大切です。クリニックを選ぶ際には、以下のポイントに注意することで安全性・正確性の高いインプラント治療を受けられる可能性が高くなります。
[インプラント治療のクリニック選びで気をつけたいポイント6つ]
①歯科医師の経験の豊富さ
②「骨造成」に対応しているか
③CTを完備しているか
④信頼性の高いインプラントパーツを使用しているか
⑤安全な体制を整えているか
⑥静脈内鎮静法に対応しているか(麻酔医との連携が取れているか)
クリニック選びの際のポイントについてはこちらの記事にて詳しくご紹介しています。ぜひご参照ください。
■歯を失った状態を放置すると…
歯を失った状態を放置すると、以下のような症状が出ることがあります。歯を失ったときには、歯を補うインプラント・ブリッジ・入れ歯、いずれかの補綴治療を受けることをおすすめします。
◎隣の歯が空いたスペースに倒れ込んできます
歯が失った状態を放置していると、失われたスペースに隣の歯が倒れ込んできます。隣の歯が倒れ込むことによってさらにその隣にある歯も倒れ込んでしまい…というように、失った歯を1本でも放置していると全体の歯並びが乱れることがあります。
◎噛み合う歯が伸びてきます
歯を失った状態を放置していると空いたスペースに隣の歯が倒れ込んでくるほか、噛み合う歯が失われた歯の方向へどんどん伸びてきてしまいます。噛み合う歯が伸びてきても対になる部分に歯が無いため、最悪の場合は伸びてきた歯が抜け落ちてしまうこともあります。
噛み合う歯が伸びてくることで失われた部分の隣の歯と伸びてきた歯がぶつかってしまい、全体の噛み合わせが乱れたりあごの骨格がずれるなどの症状が出ることもあります。
■インプラント・ブリッジ・入れ歯、どれを選べば良い?
◎安定性が高く、ほかの歯を傷つけないインプラント
インプラントの最大の特徴は人工歯根を作る、という点です。あごの骨に直接インプラント体を埋め入れて歯の土台となる人工歯根を作るため、治療後は硬い物もしっかり噛めるようになります。
ブリッジや入れ歯と異なり、インプラントは残っている歯を傷つけない点も大きなメリットのひとつです。
◎インプラント治療がむずかしい場合にはほかの選択肢も
健康状態やあごの骨に問題がない方は、安定性に優れたインプラント治療をおすすめします。しかし、糖尿病の方(特にⅠ型糖尿病の方はインプラント治療は適用不可です)や重度の歯周病の方、喫煙者の方はインプラント治療を行えないケースがあります。
上記に該当する場合でも、病気の症状の改善や禁煙などでインプラント治療が受けられるケースもありますが、歯科医師から診てインプラント治療がむずかしいと判断した場合にはブリッジや入れ歯などほかの補綴治療をおすすめしています。
入れ歯はインプラントと比べると安定性に劣り、違和感を感じやすいなどのデメリットがあります。ブリッジはクラウンをかぶせる際に歯を削るため、残っている歯の寿命を縮めてしまいます。
上記のようなデメリットがある一方、ブリッジや入れ歯は外科手術の必要がなく、保険が適用可能です。どちらもインプラントと比べ、安価に歯を補うことができます。
外科手術に対して恐怖心が取れない方や、高血圧の方、心臓の病気をお持ちの方など、手術の適用がむずかしいケースで無理にインプラント手術をしてしまうと、思わぬトラブルにつながるおそれもあります。外科手術に耐えられない、もしくは外科手術が適していない方には、ブリッジや入れ歯が選択肢となります。
インプラント治療を受ける前には、「インプラントが本当に自分に適しているか」をじっくりとご検討いただき、ご自身に合った治療法をお選びになることをおすすめします。
【患者様に適した治療をご提案させていただきます】
インプラント治療は安定性が高く、ほぼご自身の歯と同じように使えます。インプラントは歯を補う治療法として優れている点が多いです。しかし、インプラントは完全無欠の治療法ではありません。
当院では、インプラントをむやみにおすすめしません。患者様のご希望をおうかがいした上で、それぞれの方の症状に合わせた治療をご提案させていただきます。
失った歯の治療法や入れ歯・ブリッジでお悩みがある方は、当院までお気軽にご相談ください。カウンセリングは無料です。ご予約はWEB・お電話で承っております。