歯の健康を守るためには、むし歯や歯周病などのお口の病気を未然に防ぐ「予防意識」を持つことが大切です。お子さまに予防意識をつけさせ、セルフケア・プロケアを習慣づけることで将来の歯の健康維持にもつながります。
今回は「子どもの時から身につける「予防意識」の大切さ」についてお話しします。
目次
■歯はかけがえのない「たからもの」
◎健康な歯に代わる物はありません
歯は、かけがえのない「たからもの」です。歯は一度でも削ってしまうと二度と元にはもどせません。抜歯した歯ももどってきません。だからこそ、毎日の歯磨き(セルフケア)と歯科医院の定期検診(プロケア)で大切に歯を守ってあげる必要があります。
■子どもの時から予防意識を身につけることの大切さ
◎子どもの時に身につけた予防習慣は一生にわたって歯の健康を守ります
子どもの時に予防意識が身につくと、一生にわたって歯の健康を守りやすくなります。子どもの時から予防意識を持って歯磨き・定期検診を続けている方はお口のケアをルーティーンワークで行える習慣が身についているため、大人になって忙しい時でもしっかりと歯のケアを継続できているケースが多いです。
◎お口の病気を未然に防ぎましょう
歯の健康を守るためには、お口の病気にかからないようにする予防意識を持つことが大切です。予防意識を持って毎日きちんと歯磨きを行い、歯科医院で定期検診を受けることでむし歯や歯周病の予防効果が高まります。
高齢になって歯を失い、インプラントなどの歯を補う治療を受ける方は少なくありません。お口の病気になってから治療を受けるのではなく、子どもの時から予防習慣を身につけてむし歯や歯周病を未然に防ぎましょう。
■お子さまの予防意識のつけ方
小さなお子さまに歯やお口の健康を守るための予防意識を短期間で身につけさせるのは難しいです。まずは、保護者様からお子さまに毎日・毎食後の歯磨きをする「歯磨き習慣」をつけさせてください。歯磨き習慣と共に、歯科医院の定期検診を受ける「歯医者さん習慣」が身につくと、お子さまの予防意識も自然と高まってきます。
◎歯磨きを楽しい習慣にする
お子さまがスプーンを持てる1歳半ごろになったら、歯ブラシを持たせてみましょう。最初はお子さまの隣で保護者様が歯磨きの仕方を教えてあげてください。TVやDVD、動画サイトで見られる「歯磨きの歌」などのお歌を歌いながら教えてあげると、お子さまの意識に「歯磨き=楽しい」という感覚がつく効果を期待できます。
小さな頃から歯磨きを楽しむことで、成長後も面倒くさがらずに歯磨きを行う習慣が身につきやすくなります。
1歳半~3歳ごろまでの小さなお子さまの自分みがきは「形だけ」「保護者様の真似」でかまいません。3歳以降になったら、歯の汚れを落とすためのブラッシングのコツを少しずつ教えていきます。
-仕上げ磨きも忘れずに-
お子さまが9歳ごろになるまでは、保護者様による仕上げ磨きが必須です。お子さまの自分みがきを保護者様が見守ると共に、保護者様によるお子様への仕上げ磨きもしっかりと行ってあげてください。
美浜デンタルクリニックでは歯科衛生士による歯磨き指導を行っています。ご希望の方は歯科医師または歯科衛生士までお申し出ください。
◎ふだんから歯科医院に通って慣れておく
むし歯などの歯の痛みやお口の異常がなくても、ふだんから歯科医院に通っておくことでお子さまが歯科医院に慣れます。歯科医院に慣れると「いつもの歯医者さん」という認識がお子さまに生まれ、定期検診に行くのを嫌がらなくなります。
日頃から、お子さまには「歯医者さんで歯を綺麗にしてもらおう」「歯の痛い痛いを歯医者さんで取ってもらおう」と歯科医院の役割をやさしく話してあげてください。保護者様が歯科医院の役割を話してあげることで「歯医者さんに行けば歯が綺麗になる、歯が痛くなくなる」という認識がお子さまにつきやすくなります。
■予防歯科は何歳ごろから通うべき?
◎乳歯が生えそろう3歳ごろになったら小児歯科検診を受けることをおすすめします
お子さまの乳歯が生えそろう3歳ごろになったら、定期的に小児歯科検診を受けることをおすすめします。
■お子さまの予防歯科で行うこと
美浜デンタルクリニックでは、0歳の赤ちゃんから小学生までのお子さまを対象にした小児歯科検診を行っています。
[予防歯科で行うこと]
・歯の検診
お子さまの歯や歯ぐき、あごなど、お口の状態を歯科医師がチェックします。検診ではむし歯や歯周病の有無、歯ぐきが傷ついていないか、あごの骨は正しく成長しているかなどを入念に確認します。むし歯がある場合には保護者様のご同意を得た上で治療を進めていきます。
・歯垢の染め出し
染め出し液を使い、磨き残しのチェックをします。歯垢が歯に残っているとその部分が赤く染まります。赤い部分が多い場合は、歯磨き指導を行います。
・歯磨き指導
歯科衛生士が正しい歯磨き方法をお教えします。歯ブラシの持ち方や歯の磨き方、デンタルフロスの使い方などを詳しくご説明します。
・歯のクリーニング
毎日の歯磨きでは落とし切れない歯の汚れや歯垢、歯石を専用の器具を使って除去します。
・フッ素塗布(希望者の方)
歯質を強化するフッ素を歯に塗ります。フッ素塗布によりエナメル質が厚くなり、むし歯にかかりにくくなる効果を期待できます(※)。
・シーラント(希望者の方)
プラスチック樹脂のレジンを歯の噛み合わせ面の溝に充填します。磨きにくい歯の噛み合わせ面の溝にレジンを充填することでむし歯にかかりにくくなる効果を期待できます(※)。
(※)フッ素塗布およびシーラントはむし歯を完全に防ぐ処置ではありません。
むし歯を防ぐには毎日の歯磨きと歯科医院の定期検診が必須です。
【子どもの時からの予防習慣で歯の健康を守る】
美浜デンタルクリニックでは、1~3ヶ月に1回のペースで小児歯科検診を受けることをおすすめしています。
予防意識を身につけ、毎日の歯磨きと歯科医院で受ける定期検診を継続することでむし歯や歯周病が重症化しにくくなり、歯を失う確率を減らせます。
子どもの時からの予防習慣で歯の健康を守りましょう。